こどもの虐待について学びました

1月25日、こどもの居場所作り@府中が今年度受託したゆめ応援ファンド「こども食堂を学ぶ」のvol 3として「こどもの虐待 みんなで知ろう、防ごう〜市民として出来ること〜」を開催しました。市内9か所のこども食堂スタッフや市民ほか専門機関職員、40名が参加しました。
講師は松戸市立総合医療センターの小児科医長、小橋孝介先生。小橋先生は研修医時代に担当した虐待のケースをきっかけにチャイルドファーストprojectという団体の代表もされており、臨床医の立場でも市民に向けた啓蒙活動でもこどもの虐待予防に向けて取り組まれています。
100枚近くのスライドでしたが、大変わかりやすく、虐待というものが何なのかをしっかり理解していなかったと気づかされました。虐待の持つ見えにくい部分、様々な生活の価値観。その多層な構造を考えた時にどう捉えるのか?それはこどもを主体として考えた時に置かれたその状況がどうなのか?と考えるべきなのだ、と。とてもシンプルですがその目線を大人社会の中ではついつい都合に合わせて見失いがちなものだと気付かされました。
児相への通告や警察への通報。それを危険対応とするならば、そこに至るまでにはたくさんの支援的対応を必要と...する人たちがいて、そこに気づいていくことが必要なのだと話されました。
3人に1人は世代間連鎖するといわれるこどもの虐待。
ではなぜ、残り2人はしなかったのか?その調査研究の結果は大変興味深いものでした。
1、虐待的でない大人からの情緒的サポートがあった
2、1年以上の期間の治療があった場合
3.安定した情緒的に支えになる配偶者がいる場合

他者から尊重され守られた経験を持つ、そのこどもにとって情緒的なサポートがある、その経験が必要なのだそうです。そこにこそ地域社会の視点が必要なのだと思いました。
まさしく周囲の地域社会、私たちにこそ責任があるのだと。それはひとりではできない、1機関でもできない、地域社会の中で様々な人や機関が連携していくことが必要なのだ、という小橋先生の言葉は、「こども食堂が地域にある」ということと、そこにたくさんの地域の人達が関わっている、ということと重なり大きな力をいただきました。

参加された方からのアンケートでも、虐待についての理解を深める機会となった、地域の中で声をかけていこうと思う、自分ができることをしていこうと思う、こどもが主役として考えるということが印象に残った、などたくさんの感想が寄せられました。